学校、懸命な防犯対策なのに…
またも子供の命が、理不尽に奪われた。
米山豪憲君(7つ)が住む秋田県藤里町では、二軒隣に住む畠山彩香ちゃん(9つ)が約一カ月前に亡くなったばかり。二人が通った小学校では彩香ちゃんの遺体が四月に能代市の川で見つかった後、「ご近所安全マップ」を作製し、防犯対策をリーフレットにまとめて各家庭に配布していた。また彩香ちゃんの月命日を「安全を考える日」として、子供たちに命の大切さを教えてきた。
だが、集団下校などの安全対策もむなしく、豪憲君の事件は起きた。小学校では十八日、登下校に保護者の付き添いを求め、児童だけで帰ることがないようにしたが、子供を標的にした事件は後を絶たない。
昨年十二月には、栃木県今市市(現日光市)の女児(7つ)が、自宅から約六十キロ離れた茨城県常陸大宮市の山中で、遺体で見つかった。心臓を中心に十数カ所を刺されていた。手首のテープ痕から、体の自由を奪われた上で刺されたとみられる。栃木県警などの調べで、自宅近くの駅周辺で男性と待ち合わせする女児の姿や、遺棄現場近くで不審な車が目撃されていたことが判明したが、事件発生から五カ月以上経過しても、容疑者は特定されていない。
同年十一月には、広島市安芸区で女児(7つ)が殺害され、段ボール箱に押し込められて遺棄された。広島県警は近所に居住していたペルー人を逮捕し、現在公判中。広島の女児も、今市市の事件や豪憲君と同様、下校途中に悲劇に遭った。
同年十二月には、京都府宇治市の学習塾で、小学六年生の女児(12)が大学生のアルバイト講師に刺殺される事件が起きた。準備してきた包丁で首を切り付ける残忍な犯行だった。「『キモい』といわれた言葉が消えない。(被害者が)いなくならなければ生きていけないと思った」という身勝手な動機で、子供を守るべき“先生”による犯行が衝撃を与えた。
十六年九月には岡山県津山市でも、小学三年の女子児童(9つ)が自宅で胸などを刺されて死亡している。学校から帰宅直後の約二十分間を狙った顔見知りの犯行とみられるが、この事件も未解決のままだ。
同年十一月には、奈良県で小学一年の女子児童(7つ)が下校途中に誘拐され、殺害された。約一カ月半後に逮捕された元新聞販売店員の男は、いたずら目的で犯行に及んだことを自供、女児の遺体を撮影して両親にメール送信するなど異様さが目立った。男は別の女児への強制わいせつ事件で逮捕された前歴があったが、再犯を防ぐことはできなかった。
事件が起きるたび、警察や自治体、地域を中心に防犯対策が練られるが、子供の安全を守る決め手にはなり得ていない。
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■下校中被害の主な事件■
【平成】
13年10月 長崎県諫早市で小1女児が友人と別れた後に行方不明となり、山林で遺体を発見。約2週間後に無職の男を逮捕
11月 兵庫県三木市で小1男児が誘拐され自宅に500万円を要求する電話。約22時間後に自営業の男を逮捕し、男児も無事保護
16年11月 奈良市の小1女児が行方不明となり翌日遺体で発見。後に携帯電話メールで犯行声明が送られた。40日余り後に元新聞販売店員の男を逮捕
17年11月 広島市で小1女児が殺害され、約1週間後に近所のペルー人の男を逮捕
12月 栃木県今市市(現日光市)で小1女児が行方不明となり、翌日に茨城県常陸大宮市の山林で遺体が見つかる
18年3月 川崎市のマンション15階から小3男児が投げ落とされ死亡。防犯ビデオの映像公開をきっかけに元カーテン店店長の男が出頭、逮捕