藤田 日出男
隠された証言―JAL123便墜落事故
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定価 : ¥ 1,575
販売元 : 新潮社
発売日 : 2003-08-12 |
元日航パイロットで航空安全活動に長年取り組んできた航空事故調査のエキスパートが、国土交通省の内部告発者の協力を得て1985年の御巣鷹山日航機墜落事故調査の真実を明らかにする。数ある123便ものの中でも出色の1冊だ。 事故の現場に駆けつけ、独自に調査を進めていた著者にとって、事故から2年後に事故調査委員会が出した最終的な報告書は、到底納得のゆかないものだった。著者は日本乗員組合連絡会議の組合員の立場から、事故原因の徹底究明と、それを今後の安全な運行に結びつけることを訴え報告書に疑問を呈し、調査、発言を続けてきた。パイロットならではの切り口と、恵まれた環境とはいえない中で懸命に行ってきた実験や取材の徹底ぶりがすごい。 事故から15年がたつ頃に、国土交通省の役人から内部告発を受けたことで新たな動きが生じた。情報公開法の施行に備えて同省は事故に関する多くの資料を焼却、断裁した。そのことに危機感を抱いた関係者が資料を個人で保存し、それらを著者に提供したのだ。本書では、新事実をセンセーショナルに描くことではなく、国による調査のまずさや隠蔽体質と、パイロットから見ればおかしい点を指摘しても反映されないなどの問題点を明らかにすることに主眼がおかれている。事故のおおまかな流れなどは既知だという前提なので、不案内な読者は、客観的な目で全体をとらえたベーシックな本を併せて読む必要がある。 著者を突き動かしているのは、ある種の職業倫理のようなものに思え、著者個人に対しても興味がわく。本編のテーマからは逸れるが、そんな精神面の話にも触れてほしかった。話が前後、重複するなど全体的にやや未整理で、読んでいて戸惑う点があり少し残念ではあるが、真実の究明とその先にあるよりよい航空業界のあり方を願う著者の理念はまぶしく、再調査を望む訴えはストレートに届く。(坂本成子)
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事故調の武田峻委員長に訴えたい1冊 |
あの夏の大惨事から20年。テレビでも特別番組が組まれて、筆者である藤田氏の人柄もブラウン管を通じて拝見することができた。とても温厚そうな方である。しかし、この本の行間からは、彼の未だ止まない強い願いと主張がはっきりと伝わってくる。ところで、85年10月9日以後、事故調の委員長を務めた男の名前は、武田峻(元航空宇宙技術研究所所長)。テレビのインタビューで、急減圧の有無に関する質問に対して、いい加減な答えをするんでない!遺族の方々がみていることがわからないのか!?生存者の一人、落合さん(当時29歳)の証言を承知しておきながら、武田峻らの出した結論はどういうことか。このJAL123便の再調査は未だ開始されることはない。しかし、武田峻よ、TVインタビューで答えた貴様の態度を日本の大勢の人がみていて、相当な怒りをもっていることを忘れるでない。『急減圧があった。コックピットクルーが酸素マスクを着用しなかったのは、他にやることがたくさんあった』本当にこんな正義感のない、いい加減な男が、520人も犠牲にした大惨事の事故調の委員長であったとは、心の底から怒りがこみ上げてくる。
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もっと科学的な根拠がほしい |
全体的には航空事故調査委員会に対する反論ととれますが、もう少し科学的な根拠がほしい感じがします。批判するのは構いませんが、やはりそれなりの解析や専門的な立場の人の意見を取り入れた内容にすべきです。また、著者が述べられる事故原因の追跡にも物足りなさを感じます。
逆に、事故調査委員会に一応肯定の立場を取っておられる加藤寛一郎氏の著書「壊れた尾翼」は、かなり専門的な解析や豊富な取材を通してのインタビュー記事等に説得力を感じます。
例えば、問題になっている<急減圧>や<何故尾翼が壊れたか>の分析の仕方に表れます。
読者の方々は両方を読み比べてみて下さい。
残念ながらこの書は力説とは言い難いですね。
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やりきれない事故(事件)です |
今から20年前、羽田発大阪行きJAL123便は離陸直後、後方上部でパーンという破裂音の後、コントロールがまったく効かなくなり、エンジンの出力のみで羽田空港への帰還を試みたが、群馬山中に墜落。524人の乗客・乗務員のうち、奇跡的に4人の生存者があった。
事故の原因は、急減圧があったか、なかったかが、最も大きな焦点となっています。事故調では急減圧を基点とした構成となっていますが、生存者、ボイスレコーダーでは、急減圧があったとは全く思われない。ですから、事故調の発表は、真実に即したものではなく、あきらかな隠蔽の影が見え隠れするのです。
高度2000フィートで機体に穴が開き、急減圧になると、機内には10m以上の突風が吹き、霧がたちこめます。機内の温度は氷点下になり、酸素マスクをしていないと5分程度で意識障害が出るそうです。地上から、エベレスト以上の高度に一瞬で上がったことと同じです。
しかし、123便では、そういうことはなかったのです。生存した落合さんは日航のアシスタントパーサーであり、そういった危機管理の訓練も受けています。知識もありました。しかし、事故調の証言でそれを答えていながら、事故調はその証言を無視してしまっています。
この事故は、知ればしるほど矛盾が残るだけなのですね。
所詮、国家のやることはこの程度で、これだけの事故が起きていながら、誰も刑事告訴にいたらなかった(確証たる証拠がないため、できなかった)というのがわかります。
良識のある、人間を失っていない自衛隊員の内部告発証言があれば、日本がひっくりかえる騒ぎになるでしょうに。自衛隊員にまともな人間はいないのでしょうか。
あなたたちは何を回収し、何を隠しているのですか?
救出作業より早く回収したかったものとは何ですか?
人命より重いものって何ですか?
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面白かった。 |
毎年、お盆が近づくと日航機事故を思い出しサイトを開きますが今年は、関連書籍を購入し読んでみました。すごく興味深い内容でした。
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この事故に関する、最も信頼できる本 |
間違いのない事実は、この飛行機がしりもち事故を起こした前歴があることと、事故原因に直接かかわる「急減圧」がなかったということである。
事故調による公式な事故原因は、しりもち事故の際に破損した圧力隔壁が、メーカーの杜撰な修理により飛行中に破断、垂直尾翼を破壊した結果、操縦不能に陥ったというものである。
ところが、生存者の証言、ボイスレコーダーの記録のいずれによっても、急減圧がなかったことが明らかである。
急減圧があれば、時には乗客が外部に吸い出されるほどの強風が発生する。気圧の急低下で耳が一時聞こえなくなったり、断熱膨張により気温が数10度も一気に低下する。しかしそのような証言は一切ないのである。多くの乗客が遺書をしたためたことを思い出してほしい。第一、急減圧の際には、まず急降下の措置を行うはずであるのに、コックピットではそのような話もしていない。
巷間流れる自衛隊による誤射説は、ある意味説得力がある。自衛隊は当日相模湾でミサイルの発射訓練をしていたこと。自衛隊は墜落現場を早くから特定できていたはずなのに翌日までミスリードして、自衛隊が一番乗りしたことなど、怪しい面は確かにある。
思うに、事故の第1報を聞いた政府関係者も自衛隊による誤射を本気で疑ったのだろうと思う。雫石の悪夢が再びよみがえったのか、と。恐らく顔色を失ったに相違ない。
真相は恐らく本書が正しいと確信する。要約すると「しりもち事故の影響で尾翼に歪みが生じ、長期に渡るフラッター現象によって破壊に至った」という結論である。
であるならば、事故の責任は日本航空にあると言わざるを得ないが、この「急減圧はなかった」という自明のことを、関係機関はなぜ認めようとしないのだろう。急減圧がなければ、事故調の報告は全て覆ってしまうのである。500人を越える人命を一体何だと思っているのか。